坊主とは戒めのこと初句会    高井 百子

坊主とは戒めのこと初句会    高井 百子

『この一句』

 普通「坊主」といえば僧侶のこと。さらに髪を剃った頭部いわゆる坊主頭あるいは禿を指すこともある。そこから「海坊主」のような言葉が派生し、親しみを込めて「腕白坊主」という使い方もすれば、嘲りを込めて「三日坊主」という言い方もする。しかし、この句の「坊主」は、それらのいずれでもない。禿に毛が無いことからの連想によるらしいが、皆無つまりゼロの意味なのだ。釣りで何も獲れなかった時も「坊主」というらしいので、釣りと俳句で同じ使い方ということになる。
 初句会に勇んで行ったものの、作者の句は誰も採ってくれず、零点だった。普通なら、そこで落ち込むのだが、作者の素晴らしさは、その惨憺たる成績をも句材にし、一句仕立てているところ。「戒めのこと」などと言っているが、本心かどうか。「照る日もあれば曇る日も。クヨクヨせず、また次回頑張ろう」というのが本音で、この前向きの姿勢は何物にも代え難い。多分、明るく朗らかな人生を歩んでいるに違いない。坊主と言う成績には同情するものの、その生き方は何とも羨ましい。いや、見習いたい。
(光 21.02.15.)

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