出会より別れの多き老の春    田中 白山

出会より別れの多き老の春    田中 白山

『合評会から』(番町喜楽会)

木葉 老境に入ればその通りと思う寂しい句ですが、コロナ禍に自宅閑居のこの節、そんな感慨にふけるのもやむを得ませんね。
春陽子 この一句に思わず納得。私も喜寿を過ぎ、この頃は、友の訃報の多さを実感しております。下五の「老の春」は何とも寂しいが、すばらしい句だと思います。
双歩 至極当たり前の事を真面目な顔して言われると、頷かざるをえません。仰有るとおりです。
斗詩子 やっと厳しい冬を越して春を迎えた頃、訃報の便りが届くことが増えてきました。我が身の老いをしみじみ思わされる句。
          *       *       *
 この句を見て、あまりにも当たり前の事を述べて、面白くもなんともないなあと思って捨てた。しかし、それはあさはかであった。メール句会の選句選評を見ると、人気上々である。そこで、もう一度ゆっくり反芻してみて、「なるほどなあ」と思った。「老の春」がずっしりと来るのだ。「出会より別れの多き」という至極ありきたりだと思っていたフレーズが、重くのしかかって来たのだ。
(水 20.05.22.)

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