蟄居する都の空や花万朶     廣田 可升

蟄居する都の空や花万朶     廣田 可升

『合評会から』(番町喜楽会・四月メール句会)

青水 今年詠まれたコロナ禍時事句の最高峰でしょう。そんな完成度です。「蟄居」「都の空」、決め手は「花万朶」お手本のようで八つ当たりしたくなる。
水馬 コロナで蟄居せざるを得ないが、桜は今が見ごろ。切ない気持ちを綺麗に詠んだ。
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 俳句をたしなむ世の人たちの多くは、いまコロナウイルス禍による自宅閑居を余儀なくされている。これから新聞や俳句誌の俳壇には、ウイルス禍を詠んだ佳句秀句が次々登場してくるはずである。三・一一大震災の時、東北の惨状と人情の暖かさを詠んだ秀句に毎日のように心を動かされたものだ。
 科あれば蟄居閉門を仰せつかる江戸武家社会ではないが、現下の状況では引きこもりも致しかたない。都内マンション住まいの作者の気分をひとしなみ共感できる。無聊をかこちつつベランダから空を見上げれば、花見日和。花は今盛りと万朶の枝を誇っているが、花の下に出て愛でることは叶わない。その心情を「蟄居」と「花万朶」の対比で詠み込んだ当節句だ。
(葉 20.04.15..)

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