風嵯峨野長岡京へ竹の秋     鈴木 好夫

風嵯峨野長岡京へ竹の秋     鈴木 好夫
 
『季のことば』

 嵯峨野から長岡京へ? と首を傾げた。嵐山など嵯峨野には何度も訪れているが、長岡京には行ったことがない。平城京から平安京へ遷都する途中の一時的な都が長岡京、くらいの知識はあったが、その間の距離的な実感がない。句の根幹である「風嵯峨野」の意味がぼんやりしていたのだ。
 地図によると嵯峨野から南十舛曚匹膨慌京があった。案外近い、と気付いた時、「風の吹く嵯峨野」が実感として浮かび上がってきた。かの有名な嵯峨野の竹林に風が渡るのである。作者は「あの辺はずっと竹林」と話していた。バスから見た嵯峨野から長岡京までは「竹だらけだった」という。
 句会前の数日、東京に春の寒い北風が吹き渡っていた。気圧配置からしてあの頃、京都の嵯峨野でも同じような北風が吹いていたと思われる。あたかも竹の秋の頃。黄ばんだ竹の葉は嵯峨野の竹林から舞い上がり、長岡京に向かって行ったのだ。さらにその先は・・・もちろん平城京が広がっている。(恂)

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