彼岸過ぎ最後となりぬ勤め道     池内 的中

彼岸過ぎ最後となりぬ勤め道     池内 的中

『おかめはちもく』

 日本の官庁や学校は4月が年度初めだから、それにならって3月を決算期とする会社が多い。従って人事異動も3月に行われる。サラリーマンの「卒業」である定年退職。定年に達した人が毎月退職して行く会社もあるが、前年4月以降、今年3月迄に定年誕生日を迎えた人が、この時期にまとめて退社することとしている企業や団体もある。
 とにもかくにも3月は官庁も企業も、そして個人にとっても節目の月である。長年勤めた職場ともお別れ。この句は、その気持が「彼岸過ぎ」という季語に込められている。学校を卒業して就職して以来ざっと40年、倦まずたゆまず勤務し続けた職場から離れるのは辛いし、寂しい。転職して今の職場に移ってきた人でも、現役最後となる勤め先との別れには深い感慨を抱くことであろう。
 とてもいい句なのだが、「勤め道」という言葉がどうだろうか。あれこれ考えた末に据えた造語なのだろうが、ちょっとこなれない感じがする。単純かつ素直に「通勤路」とした方がいいように思う。(水)

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