不可思議といふ数字あり冬銀河     今泉 而云

不可思議といふ数字あり冬銀河     今泉 而云

『この一句』

 「冬銀河を見て宇宙の神秘を感じたのでしょう。しかし『不可思議』という数字を持ってくる発想がすごい」(哲)、「冬の銀河を見ているとそんな気分にもなりますよね」(光迷)、「学が無いと分からないな」(誰か)、ということで句会は大笑いになった。
 一、十、百、千、万、億、兆、京(10の16乗)までは大概の人が知っている。そこから先はどうか。江戸時代初期の和算家(日本式数学者)吉田光由が著した『塵劫記』という本に数の数え方が出て来る。この本は掛算の九九や面積の求め方、算盤のやり方など日常生活に必要な算術を教え説き、寛永5年(1628年)に出されて以降明治時代まで250年ものロングセラーになった。岩波文庫に収められて今でも流布している。それによると、「京」の後は垓(がい)、?僞(じょ)、穣、溝、澗、正、載、極となる。その先はもう佛の世界で、恒河沙(ごうがしゃ)、阿僧祇(あそうぎ)、那由多(なゆた)、不可思議(ふかしぎ)と来て、無量大数(むりょうたいすう、10の68乗)。ほんとに、冬銀河を仰ぎながらこんな数字を思いつくとは、よく風邪を引かなかったものだ。(水)

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