熊蜂ぶんぶんと翔ぶ梅雨合間     堤 てる夫

熊蜂ぶんぶんと翔ぶ梅雨合間     堤 てる夫

『おかめはちもく』

 長梅雨には誰しもうんざりする。稲をはじめ作物に無くてはならない梅雨とは言え、何日も降り続くと「なんとかしてくれ」とぼやく。
 それが或る日忽然と晴れ渡り、真っ青な空が広がり、お日様が眩しく照らす。つゆの晴れ間であり、昔風に言えば「五月晴れ」である。お母さんたちはそれっとばかりに洗濯を始め、子どもたちは一斉に外に飛び出す。お年寄りは久しぶりの散歩だ。動物や昆虫だって嬉しそうにしている。
 この句は「熊蜂ぶんぶん」と言って、その雰囲気を遺憾なく表した。余計なことをくだくだしく言わずに、蜂がしきりに飛ぶ様子だけを伝えて、久しぶりの晴天を印象づけたのが功を奏した。爽やかで気持の良い句だ。
 ただ、どうしても「梅雨合間」という言葉に引っ掛かる。もちろん梅雨合間でも十分成立するのだが、「合間」というのが中途半端な感じを与える。ここはやはり長年言われてきた五月晴れの言い換え季語でもある「梅雨晴間」の方が落ち着くのではなかろうか。
(添削例) 熊ん蜂ぶんぶんと翔ぶ梅雨晴間             (水)

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