朝顔の鉢抱いて来る下校の子     池内 健治

朝顔の鉢抱いて来る下校の子     池内 健治

『合評会から』(番町喜楽会)

大虫 夏休みを前に学校から朝顔の鉢を持って帰る子たちの光景ですね。
水馬 理科の観察で育てた朝顔を、嬉しそうに持って帰る。
斗詩子 ベランダで育てるのかな、うまく行くかなとか、どんどん連想が膨れていきます。
啓一 兼題は朝顔市でしたが、これは学校で育てた朝顔なんですね。
而云 「朝顔」だと秋になってしまうよね。やはり、そこに少々引っかかるなあ。
光迷 でも、なぜ「朝顔市」は夏で、「朝顔」は秋なんだろうなあ?
          *       *       *
 〈答え〉江戸時代、入谷の朝顔市は七月六日から八日と決まっていた。旧暦七月(現在の八月)は秋なので、朝顔も朝顔市も秋の季語。ところが明治5年新暦が採用され、七月は夏になった。朝顔市はそのまま新暦七月に行われることになったから、「朝顔市」は夏、「朝顔」は秋と歳時記では泣き別れになってしまった。
 この句は「朝顔市」が兼題の句会に「朝顔」という違う季節の句を出したことになり、「雑詠」の部類になる。しかし、朝顔の句としてはとても佳い。(水)

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