春眠や携帯電話のずり落ちて     澤井 二堂

春眠や携帯電話のずり落ちて     澤井 二堂

『おかめはちもく』

 陽春四月、電車内の情景であろうか。向かいの席のオバサン(スマホではなく携帯電話とわざわざ言っているから若い女性ではなさそうだ)がこっくりこっくりやっている。ケータイを握りしめた手がゆるんで、膝にずり落ちて、やれ危ないと思ったら、案の定、するりと滑って床にバタンと落ちた。オバサンびっくりして目を覚まし、きょろきょろ・・・。
 とまあ、そんな情景を想像したのだが、果たしてこの句解が合っているのかどうか・・。もしかしたらベッドの脇に吊り下げておいたケータイが何かの拍子に落下したのかも知れない。とにかく叙述がもう一つなのでどういう場面なのかが判然としない。
 「俳句は言い尽くさないこと」と言うが、これは分かり難くていいということではない。この句ももう少し分かり易く詠む必要がある。今や「ケータイ」というカナ文字言葉が一般的になっているから、「春眠や膝のケータイずり落ちて」としたらいかがか。これなら電車なり公園ベンチなりでのうたた寝と分かる。(水)

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