顔知らぬバーバの墓参に孫連れて    渡邉 信

顔知らぬバーバの墓参に孫連れて    渡邉 信

「おかめはちもく」

顔知らぬばーば墓参の孫二人      渡邉 信

 孫たちは祖母の顔を知らない。生まれる前か、二三歳のうちに亡くなられたのだろう。しかし祖父や両親は孫たちに祖母のことをよく話しているのだ。仏壇の前では「ばーばにご挨拶しなさい」と教え、お墓参りに行けば墓石の清掃を手伝わせ、花を供えさせて、「ばーばが喜んでいるよ」などと伝えている。
 そんな墓参を詠んだこの句、意味は分かるのだが、主語と述語の関係が入れ違っている。祖母の顔を知らないのは孫で、その孫を「私(作者・祖父)」が連れて墓参に行った、ということである。このような場合の基本は俳句も通常の文章も同じこと。孫を主体とし、「私」は蔭に隠れていた方がいい。
 仮に孫が二人と想定して、「ばーば墓参の孫二人」とした。原句は「バーバ」と片仮名表記だが、平仮名の柔らかさを尊重したい。正解はもちろん添削例に限らない。「ばーばの墓参に孫二人」と字余りにしても許されそうだし、「祖母の墓参や」としてもよさそうだ。この辺は好みの問題だろうか。(恂)

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