祖父の手の緑に染まる新茶摘み     流合 研士郎

祖父の手の緑に染まる新茶摘み     流合 研士郎

『合評会から』(日経俳句会)

正 茶摘みは若い女性がするものというイメージがあるが、「祖父」がするというのがユニークだ。孫娘は勤めに出て手伝わず、祖父が手を緑に染めて新茶摘みしている。面白い光景だ。
水馬 実景でしょう。我が家も五十年前、祖父が手を黒くして手摘みしていた。
反平 「緑に染まる」がとてもきれいだ。
哲 「茶摘み」は「夏も近付く八十八夜」で春の季語、「新茶」は夏ですね。
          *       *       *
 確かに哲さんの言う通りで、今頃になって「茶摘み」の句をここに出すのも季節外れの感じだが、面白い句として記憶に残っていた。今年のカレンダーで言うと八十八夜は5月1日、立夏が5日。茶摘みと新茶はまさに春と夏との替わり目をまたいでいる。5月一杯は新茶摘みとしている産地も結構あるようだし、家庭では今が新茶を楽しむシーズンである。茶摘みは渋で手が黒くなるが、まばゆい緑に染まったとしたのがいかにも新茶摘みの感じを醸し出している。(水)

"祖父の手の緑に染まる新茶摘み     流合 研士郎" へのコメントを書く

お名前:
メールアドレス:
ホームページアドレス:
コメント: