如月の光ほどけて花辛夷       横山 恭子

如月の光ほどけて花辛夷      横山 恭子

『季のことば』

 如月(きさらぎ)は旧暦の二月のこと。現代の三月にほぼ該当するので、掲載はちょっと早いかな、という気もするが、俳句作りは季節の先へ先へと進みがちだ。句会の兼題は季節を先取りするのが普通だから、その時季、その日が来る前に、過去の記憶を頼りに句を作ることにもなる。
 この句、「如月」ではあっても、立春の過ぎたばかりの頃、つまり「暦の上では春ですが」の雰囲気が感じられる。「ほどけ」の漢字表記は「解け」であり、春先の暖かい日は陽光も肌に柔らかに感じられよう。そんな陽気につられて辛夷のつぼみもほどけ、開きかけてきた、というところだろうか。
 「如月」と「花辛夷」は季重なりだが、私はほとんど気にならなかった。「光ほどけて」という柔らかな表現によって、二つの季語が混然となり、切り離せないようにも思われた。どちらかの季語を外すとすれば「如月」の方だが、その代わりにどんな語を使えばいいのか。代案は思いつかなかった。(恂)

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