読みさしの本に置かるる蜜柑かな     植村 博明

読みさしの本に置かるる蜜柑かな  植村 博明

『合評会から』(日経俳句会)

双歩 「読みさし」がいいですね。ちょっとトイレかお湯が沸いたかした時に、私はリモコンを置いて立つが、この人は蜜柑を置くという。くつろぎの読書に蜜柑が合う。
智宥 寝転んで本を読んでいたらピンポンと鳴って誰か来た。蜜柑を置いて出る。景が浮かぶ。
好夫 セザンヌの絵を見ているような、静物画のような感じを受けた。
大虫 机に向かって本を読んでいるのではなく、やはり寝転んでなんでしょうね。正月ののんびりした雰囲気が出ている。
明男 中座するとき、普通は栞を挟んでいくでしょうが、蜜柑とは面白い。
正市 身近な生活の景がいい。力が入っていない。
          *       *       *
 テーブルの上に開いて置かれた本に、蜜柑がポツンと載っている。この句に人はいない。それでいて、蜜柑を置いていった人の様子がなんとなく分かる。面白い詠み方だ。(水)

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