雑煮食ぶいろいろあれど妻も喜寿     大倉悌志郎

雑煮食ぶいろいろあれど妻も喜寿     大倉悌志郎

『この一句』

 奥さんと二人だけでテーブルに向かい合い、雑煮を頂いている、という風景が見えてくる。妻も喜寿、というのは「今年が喜寿」ということなのだろう。奥さんが二十七歳の時に結婚しているのなら五十年、金婚式の年を迎えたことになる。そういう夫婦の歴史がこの句から自然に浮かんでくる。
 「いろいろあれど」は、軽く出てきた言葉のようで、俳句ではあまり見掛けたことがない。ああいうこともあった、こういうこともあった・・・が、ということだが、なかなか思いつかない表現である。いかにも何気なく、しかしさまざまなことを思わせる、巧者の句、と言えるかも知れない。
 「作者夫婦の山あり谷ありの、人生を感じさせる句。苦労をかけてきた妻も喜寿を迎える歳になった。『お疲れさん、今年もよろしく』と心の中で感謝している様子が目に浮かぶようです」(明男)というコメントがあった。その通りだが、「あんたの場合は?」と反省を促されているような気もした。(恂)

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