短日や知らず捗る庭仕事      井上 庄一郎

短日や知らず捗る庭仕事      井上 庄一郎

『この一句』

 私(筆者)は先ごろ、この句と全く同じ体験をした。わが家の植木が塀を越して隣の庭に延びていくので、二、三年に一度は切らなければならない。師走の前にやってしまおう、と決心した。小春日の午後、植木挟みや鋸を持ち出して枝切りを始めたところ、意外に早く仕事が終わってしまったのだ。
 特に急いだつもりはない。始める前、日暮は早いからなるべく早く終わらせよう、という気持ちは持っていたかも知れない。しかし仕事中には「短日」のことを考えることなく、ごく自然に体を動かしていたと思う。陽の残るうちに全てを終えて、わが体力は衰えていない、という妙な自信も持った。
 合評会のコメントを二つ紹介する。「四時くらいに終えないとヤバい。時計を見ずとも、結果的に捗っったのでは」(双歩)。「太陽の動きが体にしみこんでいて、ふだんのペースより自然に早くなったのでしょう」(好夫)。二つの言葉は同じことなのかどうか。この句はかなり深いところを詠んでいるのかもしれない。(恂)

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