木枯しや列の乱れぬ通学路 高井 百子
『合評会から』(酔吟会)
春陽子 集団登校で列を乱さずに歩いているんですね。情景がよく出ている。
二堂 木枯らしが寒いので隊列を組んで寄り添いながら歩いていく。そんな景が見える。
反平 暑ければバラバラにおしゃべりをしながら登校するのだろうが、寒いので物言わずに整列しているんだな。
睦子 列を組んで歩いていけば、お互い風除けになるのかもしれませんね。
* * *
そうか、そういう情景だったのだと、合評会で皆の話を聞いて合点した。なるほどさもありなん。いつもならすぐにふざけてリーダーを困らせる腕白坊主も、まともに吹きつけて来る北風にうつむき加減に、神妙に歩いている。「列の乱れぬ」集団登校というところに珍しさと微笑ましさを感じた。それを目ざとく見つけるのも俳句眼であろう。(水)
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