七福神こだわりすてて日々楽し    池村実千代

七福神こだわりすてて日々楽し    池村実千代

『この一句』

 中国山東省の煙台に、七福神がここから日本に渡ったという伝説がある。八人の予定だったが、一人は前夜、酒を飲み過ぎて、という話はご愛敬だが、描かれた七福神は総じて若い。顔つきは神と言うより人間そのもので、野心もあれば恋愛もしそうな面々である。それが日本に渡った後は……。
 恵比寿、大黒天、福禄寿、布袋と多くは丸顔、太鼓腹の福々しい老人になっていて、頭の長い寿老人も中国の道教に由来する福神だ。元をたどれば中国のほか、弁財天、毘沙門天などインドの神々も混ざっているようだが、われわれの先祖は、それらをまとめて大らかな神に変えてしまった。
 「こだわりすてて日々楽し」。七福人は、まさにそのような神々である。一方、お参りする側にも、楽しそうなお年寄りたちが目立つ。冬帽子をかぶり、暖かそうなコートを着てニコニコと、これぞ福の神。地位、名誉、財産、そんなの大したもんじゃないよ、と教えてくれるのが福詣なのである。(恂)

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