宿題は今も未完の夏の果て     斉山 満智

宿題は今も未完の夏の果て     斉山 満智

この一句

 小学五年生の夏、算数の宿題をさぼって、先生に叱られ、悔恨に苛まれたことがある。苦い体験がこの句ですぐに甦った。宿題は「今も未完」とある。子供の頃の宿題だけではなく、今も続く宿題あるいは宿題のような事柄があることを示唆している。それは何か、文字の背後の深さを感じた。
 さてこの句に隠されているものは何だろう。想像をいくら巡らせても「正解」は見つかりそうにない。作者に尋ねてみたら、「複数の意味を重ねている」との返答。小学校で作文や絵日記などの宿題がはかどらない焦り。高校・大学時代の不完全燃焼な夏の愛惜。そして人生を振り返りながら思う「今生の課題」は未完であり、諦めに似た感慨という説明だった。「今も未完」の深部は奥深く、そこまではとても読み切れなかった。
今生の締めくくりは、まだ時間もあるし、諦めるのは早すぎる。何をもって締めくくるか、締めくくるべきか、私自身、おぼろげながら見当がつきそうになったところ。小学生時代の磋跌を胸に畳んで、ゴールを目指したいものだ。(て)

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