尻もちで蟻と出会ふや一歳児      髙井 百子

尻もちで蟻と出会ふや一歳児    髙井 百子

『合評会から』(番町喜楽会)

光迷 公園でしょうか。僕にも一歳二ケ月の孫がおり、光景が目に浮かびます。
白山 類句がありませんね。「尻もち」と「一歳児」でいただきました。孫はいませんが、よく観察してますね。
迷哲 「尻もち」がいい。尻もちついて地面に座ったまま。それはそれで楽しい。
斗詩子 愛らしく微笑ましいですね。
而云 可愛らしい場面だが、幼児は尻もちつくと、びっくりして蟻なんかには目を向けないんじゃないか。座り込んで少し時間たった頃かな。
百子(作者) 実景です。尻もちついても、しゃがみこんだ母親と砂などを触って笑っている。よちよち歩きの孫です。
             *     *     *
 「尻もち」に「蟻」に「一歳児」。道具が揃い過ぎており、「作りすぎ」の評に頷ける面もある。嘘が入っているとすれば「蟻と出会ふ」だ。一歳児に「出会った」認識はないだろうから。しかし、歌舞伎の「忠臣蔵」をはじめ事件を基にした映画や小説は山をなし、脚色は当たり前。俳句は科学の実験レポートではない。創作おおいに結構、ではないか。(光)

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