人違ひしてもされてもうららけし 嵐田 双歩
『合評会から』(酔吟会)
反平 春のゆったりした空気は、万事許してしまう心境になりますね。いいところに目を付けた新鮮な句です。
春陽子 間違えた方も、間違えられた方も互いに笑っている。「麗か」の雰囲気をよく表しています。
木葉 「麗か」は何をやって許されてしまうんですんねぇ(笑)。それでいただきました。
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膝を悪くしている連れ合いに代わって、時々スーパーに買物に出かける。先日も一寸離れた所の大きなスーパーで品物を物色していたら、知らないオバサンが私のカートに商品をぽんぽん入れる。びっくりして顔を見つめたら、はっと気がついて、「あらやだ」と頓狂な声を発した。そのオバサンのご亭主らしき人が私の前でカートを押していた。この句の作者もデパートに行って、奥さんと間違え別の人に声を掛けてしまったらしい。雑踏の中ではしょっちゅう起こることだが、罪の無い取り違え、いかにものどかな春らしい感じがする。(水)
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