彼岸過ぐ心は冬に置いたまま    斉山満智

彼岸過ぐ心は冬に置いたまま    斉山満智

『合評会から』

的中 彼岸は過ぎたけれど、心は冬の季節のままで、なかなか春にはならない、というところでしょう。
白山 こんなことも確かにあるなぁ、と思っていただきました。
斗詩子 彼岸過ぎまで寒さが残り、身体の動きはぎくしゃく。日によって気持ちが重苦しくなったりして、なかなか明るい気持ちになれない。「心は冬に置いたまま」に、そんな心のありようが表されています。
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 この時期、「早春賦」を口ずさみたくなる。「♪春は名のみの風の寒さや」。谷の鶯は、まだその時期ではないと、歌を歌わない。そして春待人の心は、冬と春との間を行ったり来たりしながら、曲の最後で「いかにせよとのこの頃か」と悩むのだ。そんな微妙な季節感をこの句は、上手く詠んでいるなぁ、と感心した。
 実は作者は句会会場に到着寸前、急に体調を崩し、電話で「欠席」を伝えてきた。句会の開始の頃で、仲間は「大丈夫かな?」と心配しきり。お宅はエアコン完備なのだろうが、炬燵で暖まる作者の姿を、何となく想像してしまった。ちょっと注文の一言。下五「置いたまま」は「置きしまま」がいいかな、と思う(恂)

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