大吉の出るまで引くや福詣 高井 百子
『この一句』
前欄の作者は御神籤を引いたら「中吉」が出て「まあ、この程度でいいかな」という恬淡とした態度を見せた。ところが次に登場の作者は、大吉が出るまで引き続けるという。「この人根性あるねえ」(杉山三薬)というコメントがあった。では筆者は、と白状しよう。その昔、神籤の二度引きをした。
大学生の頃で、冗談めかして友人に「初めのは、どうなるのかな」と聞いた。友人は「気にしなければいいんじゃないの」と言った。神籤の言葉を信ずるかどうかは人次第。ならば大吉の確率は? とネットで調べると「29%」。そんなに当たるものか、と別の項を開いたら「16%」だった。
吉、凶などの分別も「大大吉、吉凶交々」なども含め、まことにさまざまで、「吉」と「中吉」の並べ方なども一定ではないという。では人間は神籤とどのような関係を持つべきか。リーダーであれば大吉が出るまで引いて「これでよし」と構える大らかさが欲しい。例えば句の作者のような・・・。(恂)
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