切干や那須三山に日が沈む      印南 進

切干や那須三山に日が沈む      印南 進

『合評会から』(三四郎句会)

賢一 説明のしようのない句だ。陽が沈む、沈んで行くんだ、那須三山に。
而云 切干が美味しいとか、そういう句ではない。そこがいいとも言える。
崇 省略の効いた二句一章の句です。
進(作者) 二句一章の句を作りたいと思いましてね。
有弘 私も二句一章を作ってみたが、点が入らなかった。
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 この句会、二句一章の句が少ないと感じていた。勉強会の時、「試しに作ってみたら」と話したところ、何人かの人が応えてくれた。掲句はその中の一例。那須三山(茶臼岳、朝日岳、三本槍岳)を背景に兼題の「切干」を懐かし気に詠んでいる。第二次大戦中、作者が疎開していた栃木県の農村風景だと思う。
 切干は四五日ほど干すという。雨が降り出したら取り込まなければならない。その日は晴れていて、「やれやれ」という気持ちで夕方を迎えたのだろう。夕暮れの山々と相俟って、優れた句になった、と評価したい。 (恂)

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