冬の日や客一組の観覧車 大澤 水牛
『合評会から』(酔吟会)
春陽子 冬の日、寒いのだろう。観覧車にたった一組でしょう。うらやましい風景でもありますが。
涸魚 客の少ない日があるんですね。冬の情景にぴったりで、閑散とした観光地の模様が描けている。
操 若いカップルでしょうか。眼下の大きな風景を独り占めしている。
反平 冬の日に感じは合っているが、観覧車は句になりやすい。ちょっと安易かな、とも思いましたが。
而云 横浜の赤レンガ倉庫近くで、句のような風景を見た。寒い日だったが、妙に味わい深かった。
水牛(作者) この句はその「みなとみらい」です。私が見た時は吹き晒しの中、観覧車の客はたった一組。係のお兄さんは「一組でも動かさねばならない。当然、赤字ですよ」と苦笑していた。
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私は観覧車が好きなようで、いつもしばらく眺めてしまう。道路、列車、海釣りの舟など、どこから見ていても視線を簡単に外せない。三国志の古戦場(中国河南省)の枯野から遥かな洛陽の町の観覧車を見ていたこともある。なぜなのだろう。幼い頃の体験に関わるような気もするが、そのことは思い出せない。(恂)
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