七五三頭押されて畏まる 工藤 静舟
『合評会から』(酔吟会)
涸魚 子供が親に頭を押さえられて畏(かしこ)まる。神社での瞬間的な情景を面白く捉えた。
鷹洋 七五三で着飾っても、子供は何のことだか分からない。親はともかく頭を下げなさい、と。
てる夫 最近、五歳の孫にお付き合いしたが、七五三は何につけ親の気持ちばかりが表に出てきますね。祈祷の際、子供は結構、動いていて、親はそわそわしている。
水牛 やんちゃ坊主の実に迷惑そうな顔が浮かんできます。
而云 この句は、社殿に上がっている時かな。はやく頭下げなさいと押さえつけられている。
静舟(作者) 大相撲の九州場所はちょうどこの時期です。福岡へ行くと(作者は相撲記者OB)、向こうの神社でよく句のような風景を見掛けます。
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娘の七五三の時、やんちゃな男の子を見た。句と同じように親に頭を下げさせられていたが、負けん気を満面に横目で睨み返していた。あの子はどんな大人に成長したのだろうか、と今も思い出す。(恂)
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