居酒屋の黄ばむ品書焼秋刀魚     深田 森太郎

居酒屋の黄ばむ品書焼秋刀魚     深田 森太郎

『合評会から』(日経俳句会)

木葉 品書に秋刀魚と書いてあるのは居酒屋の定番だから。いかにも「秋刀魚」の感じがします。
哲 品書が黄ばんで、煙や焼き色も見える。こういう光景が「秋刀魚」に似合う。
昌魚 こういう店で一杯ちくとやりたい感じがしました(笑い)
三薬 皆さんと同じ。
綾子 同じです(笑い)
正市 類句がありそうだが、中七が全体を締めた。
反平 私は「黄ばむ品書」というのがどうもね。季節の初物じゃないか。
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 反平氏の言われることももっともだが、木葉氏の言うように、秋刀魚は居酒屋の秋の定番。8月末になると「秋刀魚」と書いた品書を張り出し11月頃までそのままなのだ。時には冷凍モノも混ざっているかも知れない。しかし、常連はそんなことあまり気にしない。「やっぱり秋はサンマだなあ」と御機嫌なのだ。(水)

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