カンバスに色無き風を描きけり    加藤 明男

カンバスに色無き風を描きけり    加藤 明男

『合評会から』(日経俳句会)

ゆり 爽やかな絵だろうなと思い、いただきました。
三代 上手すぎるので(選ぶのは)やめようかなと思ったけど、秋の感覚がよく分かるので。
昌魚 「色なき風」という季語は知っていましたが、私には作れそうもない。どんな絵をカンバスに描いているのか、と想像が広がって行きます。
二堂 私も画を描くので、どういう絵を描いたのか知りたくなった。「色なき風」の使い方がうまく、木々の揺れる動きなど、色々と連想させる。
          *         *         *
 公園で画架を立て、風景を描いている作者を思った。秋のある晴れた日、公園に出かけた作者は、一人のアマチュア画家として筆を振るっている。風が立ち、草木が揺れた。作者はいま私は「色なき風」を描いている、と思ったのだ。「色なき風」は秋風のこと。紀友則の歌に基づくとされるが、その先に中国の五行思想の「白秋」があるという。私も一度、詠んでみようと思いながら果たせない、何とも格好のいい風である。(恂)

この記事へのコメント