初盆の相次ぐ郷の空遠し     流合 研士郎

初盆の相次ぐ郷の空遠し     流合 研士郎

『合評会から』(日経俳句会)

庄一郎 表現が新鮮。ふるさとは心情として遠いという意味が込められている。
水馬 年齢のめぐりあわせもあるのでしょうが、今年は初盆が続くなあと嘆息した年がありました。
阿猿 八月は終戦とお盆で、命や歴史に想いを馳せる機会の多い時期。郷里はみんな若くて元気で騒がしかったあの夏と同じ空。
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 今年ほど故郷で友人知己が死んだ年はないが、あれこれあってどうしても東京を離れられず、お参りに帰れない──。遥かに遠い故郷の空の方を見つめている作者の顔が浮かんで来るようだ。
 昨年八月下旬から今年八月上旬までに死んだ人の初めてのお盆を、東京周辺では「新盆」と言うが、関西から四国九州辺は「初盆」というのが普通だ。この作者も九州出身。沈んで行く夕日を見ながらの句だとすると、一層感慨が深まる。(水)

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