噴水をくぐりぬける子転げる子 前島 幻水
『合評会から』(番町喜楽会)
哲 光景がすぐ目に浮かびますね。特に「転げる子」がリアルでいい。想像の句ではないと思う。実際にこの光景を見て詠んだに違いない。
白山 「くぐり抜ける子転げる子」と字数を合わせてうまく詠んだなと思います。
可升 元気に遊ぶ子が目に浮かびます。白山さんも言われたように「くぐり抜ける子」と「転げる子」を続けて詠んだことで語調もいいなと思いました。
幻水(作者) 横浜みなとみらい美術館前の噴水です。子供が大勢遊んでいました。
斗詩子 噴水の中で生き生きと夢中で遊び回る子どもたちの姿が目に浮かんできました。
* * *
なぜ幼児は水遊びが好きなのか。母親の羊水の中で育ったからかも知れないし、そうでないかも知れない。水に慣れない子は水に手を出して、すぐ引っ込める。こうして子供たちは命の素である水に慣れていくのだろう。水は人の命も奪う。「くぐりぬける子」「転げる子」。水遊びは人生行路の疑似体験のように思えてくる。(恂)
この記事へのコメント