祖父またも苦学を話す柏餅     今泉 而云

祖父またも苦学を話す柏餅     今泉 而云

『合評会から』(酔吟会)

双歩 子供の日の頃になると一家でおジイさんのところに行く。柏餅を前に祖父が孫に苦学した昔話をしている。この孫は作者の息子でしょうかね。
冷峰 孫のところに行くと、倅が「親父、親父の苦労話を息子に聞かせてやってよ」なんて言うんですよ。だけど孫にはよく分からないようだ。「じいじ、早く帰れば」なんて言われちゃう(笑)。とにかくこの句の通りです。
木葉 これは作者が中学や高校の時に祖父から聞かされた思い出でしょうか。昔の「苦学生」の苦労が垣間見えますね。
てる夫 僕は父方母方双方の祖父を知らないから苦労話は聞けなかった。今、自分の孫に昔の苦労話をしても理解されないだろうなぁ、と思っています。
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 作者によると、これは父親が作者の息子たちに若い頃の苦労話を聞かせている図。「昔はなぁ、小さな蒲団一枚で寝ていたもんだよ。こうやって二つに折ってね、柏餅と同じだよ」。すると今どきの子は「どうして蒲団一枚で寝たの」と聞く。てんで通用しないのだ。幸せな平成時代である。(水)

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