夏めくや老いには重き鍬の先 高井 百子
『合評会から』(番町喜楽会)
水馬 「老いには重き」と言っているけれど、あまり苦しい感じがしない。この人は畑仕事が好きなんでしょうね。嬉々としてやっているけどやっぱり重い。面白い感覚だなあと思っていただきました。
水兎 鍬を上げる時にうまくバランスをとらないと、よろっとしてひっくり返りそうな気がします。そういうところをうまく詠んだと思います。
双歩 無理は禁物です。(あまりに簡潔な選評に笑いが起こる)
木葉 「鍬の先」の「先」が気になりました。鍬全体が重いのだと思うけど。
光迷 鍬を打ち込んで、土を返そうとする時に鍬の先が重いんじゃないかな。
* * *
水馬氏の言う通り、この句は重労働を嘆いているのではなく、むしろ楽しんでいる。まあ、ふうふう息を切らせていることは確かだが、「まだまだやれるぞ」という感じ。いま流行りの家庭菜園か庭づくり。汗をかいて耕した所に出来る野菜や花は感激である。さあ頑張って、もう一鍬。(水)
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