この時を選ぶ不思議や寒桜     星川 水兎

この時を選ぶ不思議や寒桜     星川 水兎

『合評会から』(日経俳句会)

而云 言われてみると確かにそうだなあと思う。なんでこんな時期に咲くのだろうと。
哲 寒桜を見つけた感動、それを不思議という言葉でうまく言い表わした。
綾子 冬桜を見ると、作者と同じことを思います。
青水 しっかりと実景が見えてくる。季語が生きている。
双歩 桜は時期を選んだわけではないので、その辺がひっかかった。
冷峰 植物の開花は全て自然の摂理の中で行われている。取り上げれば全てが不思議な事で、なにも寒桜に限ったことではないのではないか。
而云 春ならいいのに、なんでこんな寒い時にと思ったのだろう。
          *       *       *
 桜は葉桜になるともう翌年の花芽を育て始める。ときどき早く咲いて帰り花になってしまう。帰り花ばかり咲かせるヒガンザクラの一種が突然変異で固定してしまったのが寒桜だ。俳句では桜は春の花の王者と決まっている。それが寒中に咲く「不思議」を素直に詠んだ。(水)

この記事へのコメント