大腸を廻(めぐ)るカメラも十二月    横井 定利

大腸を廻(めぐ)るカメラも十二月    横井 定利

『合評会から』(日経俳句会)

正裕 「大腸カメラ」と「十二月」は関係ないと思うのですが、何となく合うような気もする。一年の納めに検査したということだろうか。
睦子 先日受けたばかりなので実感がありますね。見つかったポリープは来年取ります。
青水 「も」が気になるものの、季語と物語がいい緊張感で成立している。
弥生 十二月の忙しさを詠み込んだシュールな一句、と評します。
           *           *
 内臓の検査ともなれば、どんな施設でも一ケ月以上も前からの予約が必要だろう。検査前はカレンダーを見るたびに「あと何日」と数えていた。年末の最も重要な予定がこの検査だった。検査台に横たわり、覚悟を決める。カメラが腸内を動き回っている。一昨年、昨年も十二月に大腸の内視鏡検査を行っていた。
 三年目になると心が落ちつき、検査を客観的に見つめる余裕が生れている。またカメラが動き出して、ふと気づく。芭蕉ら著名俳人の大方は内臓検査なんてしたことがない。この体験を句にしない手はないぞ。(恂)

この記事へのコメント