更地また更地みちのく夕時雨     今泉 而云

更地また更地みちのく夕時雨     今泉 而云

『合評会から』(日経俳句会)

十三妹 主人の実家が弘前にあり、行く度に田が消えている。その情景に夕時雨が合っていて・・。
冷峰 東日本大震災の復興状況がまざまざと浮んで来た。
正裕 震災から六年。当時皆で句を詠んだが、久しぶりに詠まれると新鮮。
哲 岩手でこういう光景を見た。繰り返しの効果が出て迫って来る。
定利 車で通り過ぎながら見てるのだろうか。更地のリフレインは良いが、夕時雨は付きすぎか。
睦子 私は「また更地」と繰り返したところに現実味を感じる。
反平 鋭い時事俳句。
          *       *       *
 復興未だしという気持を重ね言葉で表現したところが絶妙。「みちのく夕時雨」が演歌調で、なんとなく軽く流れてしまうのではないかとの意見もあったが、そう感じ取る向きがあってもいい。すっかり整地されてきれいになっただけに、かえって胸にずしんと来る。そういう気分を伝えているのではないか。(水)

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