立冬や平たき顔のお豆腐屋      横井定利

立冬や平たき顔のお豆腐屋      横井定利

『合評会から』(日経俳句会)

冷峰 なんともユーモアのある句だ。豆腐屋にふさわしい顔が豆腐屋をやっている。上手な組み合わせだ。
而云 豆腐みたいな顔をしているおじさんが冷たい水の中の豆腐を包丁で切っている。立冬に合っている。
智宥 のっぺりした豆腐顔なのだろう。おもしろい。
万歩 寒い朝早起きする働き者のお豆腐屋さんは平たい顔をしているような気もする。ユーモアあふれる句だ。
睦子 平たき顔と豆腐が、寒さが気になる季節に合っていて、面白い作品になった。
阿猿 毎朝大豆からつくっている昔ながらのお豆腐屋。そのおやじさんが豆腐に似た顔立ちとは。
好夫 日本人は豆腐屋に限らず皆平たい顔をしていますよ。豆腐と結びつけたとしても、あまり面白くない。
水牛 「お豆腐屋」は子供っぽい使い方だね。
*         *           *
昔ながらの豆腐屋はどんどん減って、豆腐はほとんどスーパーなどで買うようになった。日本人の特徴である平たい顔も、若い人を中心に少なくなっている。でもこの句は面白い。昔の豆腐屋を思い出すからだろう。(恂)

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