昼コーヒー持って歩けば小春かな    鈴木 好夫

昼コーヒー持って歩けば小春かな    鈴木 好夫

『この一句』

 「昼コーヒー」は新語であるに違いない。ネットで「昼コーヒー」を検索したら、「昼のコーヒー」「コーヒーを昼に飲んで夜、眠れない」などの例が出てきた。つまりこの語はまだ一般に使われていないのだ。しかし都会人なら誰もが「あれだ」と思う。「持って歩けば」によって、さらにはっきりする。
 コンビニの店頭で大きな紙のコップに入れてもらい、持って帰ったり、途中で飲んだり…。この新スタイルのコーヒーは流行り出したのは数年前からとされている。百円という安さも手伝い、昼時のビジネス街ではすでにお馴染みだが、句はずばり「昼コーヒー」と言い切って、印象を鮮やかにした。
 「コンビニコーヒー」とか「カウンターコーヒー」の呼び名があるそうだが、サラリーマン社会の風物詩なネーミングとは言えない。ついでながら「昼コーヒー」は、一九八〇年代からセブンイレブンが導入し、挑戦、撤退、再挑戦を何度も繰り返した末、ついに大成功を収めたのだという。(恂)

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