店名の百舌鳥に誘われてカツカレー   野田 冷峰

店名の百舌鳥に誘われてカツカレー   野田 冷峰     

『おかめはちもく』

 まず「誘われて」の「て」は中八になるので削除したい。次は「百舌鳥(もず)」(鵙)という店名が季語になるのか、という問題。私は「いいじゃないか」と寛容に考えたい。秋だなぁ、おお「百舌鳥」という店があったぞ、というだけで、季節と相当程度に関わっていると思えるからだ。
 下五の「カツカレー」はどうだろうか。一読、笑いがこみ上げてくる。メニューにあり、ちょうど昼時だったので、「これください」とウエイトレスに頼んだのだろう。作者の真面目な句の作り方からして、これは本当のことだったのだと思う。作り物ではないユーモアも感じられよう。
 しかし食欲の秋とはいえカツカレーが、百舌鳥という洒落た店名に相応しいかどうか。食名の知識に乏しい私でもソーダ水、スパゲッティくらいは思いつく。とりあえず前句を真似て「店名の百舌鳥に誘はれ白ワイン」としたが、もっとぴったりのメニューがありそうだ。考えて頂けないだろうか。(恂)

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