道すがら不義理数へて鵙日和      中嶋 阿猿

道すがら不義理数へて鵙日和      中嶋 阿猿

『合評会から』(日経俳句会)

好夫 こういうことあるな、と思いました。不義理したって、そんなに悪いことではないが、やはり気になってしまう。こういう「鵙」の詠み方があるのだなと・・・
水馬 思わせぶりな句で面白い。遺影を拝みに行く途中でしょうか。いろんなことを思わせる句ですね。
而云 上手く作るものだと感心した。私は例えば、不義理しているオジさんかオバさんの家を訪ねていく途中を想像しました。その日は好天気。微妙な状況下の微妙な心理を詠んでいる。
定利 空は真っ青な良い天気。けれど心の中は曇かな。「鵙日和」がいい。
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 不義理にもいろいろあるが、いずれにせよ相手は自分より年上の人だろう。例えばかつての上司。駅を降りて、十分ほど歩きながら、このところの不義理を指折り数えている。「どうかね、元気そうじゃないか」。会えば優しい笑顔を見せてくれるが、こちらは冷や汗もの。なぜか小津映画のタイトルが浮かぶ句だ。「麦秋」「秋日和」「彼岸花」「秋刀魚の味」――。小津はなかなかの俳人でもあった。(恂)

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