被災地の闇夜に喚声川花火     岡田 臣弘

被災地の闇夜に喚声川花火     岡田 臣弘

『おかめはちもく』

 東日本大震災の東北地方か、熊本大地震か、大災害に見舞われた町村で行われた花火大会であろう。苦労の末にようやく復興のめどがついて、地元にちょっぴり元気が戻ってきた。久しぶりの打ち上げ花火に喜びの喚声が湧き上がる。
 とは言ってもまだまだ問題は山積している。家を建て直せないままだったり、職を失って心ならずも地元を離れた人たちも多い。被災地の闇は深い。花火大会にはそうした鬱屈を晴らすねらいもあるのだろう。轟音が腹に響く。
 華やかさの裏に、しんみりとしたものを感じさせる良い句なのだが、中七の字余りが何としても気になる。こういう句は五・七・五のリズムを保ってこそ真価を発揮する。何故わざわざ「闇夜」と字余りにしなければならないのか。どう考えてもその必然性が思い浮かばない。恐らく「やみよ」という使い慣れた言い方につられて、何の気無しに、ということなのではないだろうか。そもそも花火大会は夜に決まっているし、これも「夜」を取ってすっきりさせたい。
 「被災地の闇に喚声川花火」で句はすんなりと納まる。 (水)

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