酔ひざめの厠の小窓明け早し    大澤 水牛

 酔ひざめの厠の小窓明け早し    大澤 水牛

『合評会から』(番町喜楽会)

百子 飲んで眠ってしまうと早くに目が覚めますよね。のどが渇いたりして。身につまされる句です。
正裕 これはまさしく私自身が詠むべき句でした。今朝も四時半に目が覚めトイレに行ったのですが、窓の外はすでに明るくそのまま眠れずに起き出したんです。
大虫 「酔ひざめ」「厠の小窓」と具体的なので、いいな、と思いました。
誰か そうか、水牛さんの家は厠に小窓があるんだ。
別の誰か しかし厠とは古いなぁ。最近のマンションのトイレには小窓はないし、昔の句みたいだね。
水牛(作者) いつも飲みすぎると四時頃トイレに行くんです。最近の句だから「トイレ」がよかったのかな。いやぁ、トイレとはしたくない、とも思いますね。
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 「トイレ」か「厠」か「便所」か。昔は「御不浄」や「はばかり」も使われていた。現在は「トイレ」が一般的だが、俳句では「厠」が優勢だと思う。小窓があるくらいなら「厠」の使用は何らはばかることはない。(恂)

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