日の入りを惜しみて飛ぶや初燕     谷川 水馬

日の入りを惜しみて飛ぶや初燕     谷川 水馬

『合評会から』(酔吟会)

睦子 日が伸びて来て、初燕が颯爽と飛ぶ。美しい光景だなあと思いました。
操 爽やかさですね、この季節の・・。それを最も強く感じました。
涸魚 何の技巧も凝らさず、見たままをさあっと詠んだだけという感じの句なんですが、初夏の感じをよく伝えるいい句ですね。
てる夫 燕は虫を捕っては巣に運び、また飛んで、と非常に忙しい。それを「日の入りを惜しみ」と夕方に持って来て、そういう生態を表したところに新鮮さを感じました。生きものの性(さが)というんでしょうか、それぞれの生態がありますが、この句は燕の様子をよく伝えています。
          *       *       *
 昨十三日に行われた酔吟会でトップ賞に輝いた句。皆さんが評したように、燕の様子を描き切っている。私も真っ先に採った。何と言っても「日の入りを惜しみて飛ぶ」という措辞がいい。この日暮れ時が羽虫はじめ空中を浮遊する虫が最も多くなる時間帯なので、燕にとってはかき入れ時でもあるのだ。縦横十文字に飛び交い、目が回るようだ。(水)

この記事へのコメント