戸惑いを三寒四温の陽だまりに    渡邉 信

戸惑いを三寒四温の陽だまりに    渡邉 信

『合評会から』(三四郎句会)

敦子 何に戸惑っているのかよく分からないけれど、この時期の雰囲気にぴったりという感じがします。ご自分の心も三寒四温なのかな。
正義 今ごろの季節に合っている。日当たりのいいベンチに座っている感じです。
而云 なかなか上手い詠み方だと思いますよ。
信(作者) 三寒四温は冬の季語ですが、春先の気象と受け取る人が増えてきたそうですね。
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 「三寒四温」は元来、中国の冬の気象を表す言葉。西北からの季節風が「三日吹き、四日止む」というような繰り返しが始まると、大陸はいよいよ冬到来となり、そのリズムが崩れてくると春になる、とされている。この語が日本にもたらされて久しく、作者のコメントにあるように、日本では「冬の終盤から春先」と捉える傾向になってきたようである。温かい日が少しずつ増えて行くような語感によるものか、という気象予報士の言葉も聞いた。作者の戸惑いも今まさに、日本的三寒四温なのだろう。(恂)

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