帰りきて雛に挨拶する夕べ     山口斗詩子

帰りきて雛に挨拶する夕べ     山口斗詩子

『合評会から』(番町喜楽会)

百子 お雛様を飾ってみると、分身のような親しみが生まれて、特に一人暮らしだと「ただいま」と独り言を言ってしまう。そんな感じがよく表れていて、いい句だと思いました。
満智 私も家に帰ると、観葉植物などに挨拶するので親しみを覚えました。雛の可愛らしい感じと、それに一人で挨拶するという少し寂しい感じとが相俟って、いいな、と思いました。
水牛 我が家では、家内が帰って来て「ただいま」と言うので、僕が「お帰り」と言うと、「あなたに言ったのじゃない」という様なことがよくあります(大笑)。いい感じの句ですね。
光迷 とても大事にされ、いろいろと思い出もあるお雛様なのですね。そんな感じがよく出ています。
斗詩子(作者) 私の実家の母が作った和紙を張り込んだ五十センチくらいのお雛様で、主人の仏壇の隣りに飾ってあるのです。この時期は仏壇を通り過ぎて、まずお雛様に挨拶します(笑い)。
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散歩か、遠出だったのか。「ただいま、帰りました、お雛様」。そんな声が聞こえてくるような句だ。(恂)

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