盆栽の小さき宇宙梅かをる     久保田 操

盆栽の小さき宇宙梅かをる     久保田 操

『合評会から』(日経俳句会)

臣弘 盆栽は一つの宇宙だと思う。昭和記念公園に行ったら盆栽展をやっていて梅と桜が印象的だった。「宇宙」と言うのがリアリティあって季節感にピタリ。
てる夫 私も「小さき宇宙」というのが気に入った。確かに盆栽は大宇宙に見える。
二堂 梅の盆栽は多いですね。梅は割に早く幹が太くなり、大きな木が植わっているような感じがして「小さき宇宙」の感じがします。
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 平安時代に唐から入って来た「盆景」が宮廷貴族の間で持て囃され、やがて一般にも広まり、江戸時代に全盛となった。入って来た当初の盆景は、中国風に派手で箱庭のような感じだったらしい。それが「侘びさび」を好む日本人の手で改良され、掌に収まるほどの大きさなのに老樹の姿に仕立てられ、幽玄・閑寂な「盆栽」になった。まさに宇宙を小さな鉢に込めるという発想は素晴らしく、この句もそれをそのまま詠んで好ましい。(水)

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