正座する盲導犬や梅日和 谷川 水馬
『合評会から』(日経俳句会)
定利 「梅日和」がいい。正座する「盲導犬」と合う。
而云 目は見えないがせめて匂いでもと、そんな風景が見えてきて、色々なことを考えさせられる、とても好きな句。
青水 春の光、風、気温。そして香り。切れ字がいいし、季語も効いている。
十三妹 毎日頑張って尽くす盲導犬に献点。
万歩 盲導犬も主人とともに梅を愛でている。ユーモアと温もりが伝わる。
睦子 ただの犬ではなく、「盲導犬」。梅日和が効いています。
正 飼主に付き合ってじっと正座している盲導犬が微笑ましい。
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春浅き頃、百花に先駆けて咲く梅は香気を放ち、凛とした気品を漂わせつつ、しかも優しい。万葉時代から平安初期までは桜より梅が尊ばれたという。盲導犬を脇に梅が香を聞く、この主人公の心は安らかなようである。(水)
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