どんど焼き火柱天を突き抜けり    宇佐美 論

どんど焼き火柱天を突き抜けり    宇佐美 論

『合評会から』(三四郎句会)

賢一 どんど焼きは、ある時を境にどっと燃え上がります。本当にすさまじい勢いですよ。「火柱天を突き抜けり」という表現がいいですね。
豊生 秩父で見たどんど焼きの感じがこれだった。人生にもあの勢いがあれば、なんて思ったものです。 
而云 迫力のある句だ。本格的などんど焼きはこういうものなのだろう。
諭(作者) 私は神奈川県の田舎の育ちだから、このようなどんど焼きを毎年、見ていました。
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 前句「天かけて龍立ち昇る」が威力のある変化球だとすれば、こちらは真っ向勝負のストレート。「火柱天を突き抜けり」という言葉の勢いから、この句も現場を見た人の作だろうと思っていたが、その通りだった。お二人とも幼い頃から毎年のように、生まれ故郷などのどんど焼きを見つめていたのである。
 子規の説く「写生」を金科玉条とし、吟行や散歩を心掛け、風物に注意を注いでいても及ばないものがある、と感じた。簡単に言えばそれは、人が生まれて以来自然に得てきた経験、体験といったものだろう。(恂)

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