初茜スカイツリーを遠望す    和泉田 守

初茜スカイツリーを遠望す    和泉田 守

『この一句』

 スカイツリー竣工からはや五年。当初は一般の人気と相俟って、俳句にも大いにもてはやされた。中国語訳による「天空樹」などの名も得て、新年の句では富士と並ぶほどの存在になった。しかし近年はさすがに飽きられたか「スカイツリー」の文字を見ただけで選句の対照から外す人もいるという。
 とは言え六三四辰箸いΑ崟こ最高のタワー」である。常磐線や東部電車などで東京方面に向かう時は、遥かなランドマークが刻々と間近になってくるので、ついつい見入ってしまう。俳句ではやがて物珍しさから脱却し、当たり前に存在する素晴らしいタワーとして詠まれるようになるに違いない。
 この句は初詣に行く途中、ふと西の方向を眺め、しばし立ち止まった時に生れたように思われる。例えば利根川、荒川など大きな河川の堤防の上を歩きながら、西の空を眺めれば、このように見えるのではないか。「初茜」と「遠望す」という語によって、大都会の新年の夜明けを大きく詠み切っている。(恂)

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