鮟鱇や風評といふ向う傷     徳永 正裕

鮟鱇や風評といふ向う傷     徳永 正裕

『合評会から』(番町喜楽会)

春陽子 「風評という向こう傷」の意味は、よく分からなかったが、個々の言葉に魅力があったので・・・(笑)。
光迷 風評というと、やはり福島でしょうか。でもそれ以前から大洗あたりの鮟鱇は、ビニールを食っているとか、いろいろ言われていました。
冷峰 やはり福島の原発による風評だと思う。海の底で鮟鱇が「本当の悪いヤツは誰なのか」と言っているのでしょう。鮟鱇、風評に「向こう傷」がよく合っていますよ。
健治 「向こう傷」という表現に、風評被害をものともしない勢いを感じます。福島・茨城の海底で鮟鱇が「俺のせいじゃないぞ」と嘯いているようです。ともすると忘れがちな大震災・原発を思い出させてくれた上に、憂鬱な雰囲気を吹き飛ばしてくれる句です。(いい選評だ、という声多数)
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 「向う傷」という言葉はよく用いられているが、本当の意味は? 辞書によれば「敵に立ち向かって戦い、体の前面(特に額や顔面)に受けた傷」とある。鮟鱇君は原発事故の風評に、まさに立ち向かっていたのだ。(恂)

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