赤き実をあさる鵯腹太し     高井 百子

赤き実をあさる鵯腹太し     高井 百子

『合評会から』(番町喜楽会)

正裕 うちの庭にはちょうど今赤い実がなっていて、全部食べられてしまうんです。実景ですね。
水馬 まさに写生の句。鵯はたくましくて「腹太し」が合っていますね。
てる夫 以前私は鵯の巣立ちを詠んだことがあるのですが、その連中が今も来るのかなと思っています。
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 我が家では正月用にセンリョウ(千両)を植えてあるのだが、さて切ろうかと思う歳末の朝、すっかり食われてしまい、悔しがること再三である。
 元来は森林地帯に棲息して秋も深まる頃に人里に降りて来る小鳥なのだが、近ごろは一年中見かける。ただ晩秋に派手に鳴き交わしながら雀などを追い散らしているのが目立つので、やはり秋のものという印象が強い。
 よく見ると頭の毛が逆立って、いかにもきかん気な風貌である。盛り場をハイカイするふてぶてしい茶髪の兄ちゃん姐ちゃんという感じだ。「腹太し」という表現がぴったりの愉快な句である。(水)

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