おはぎ食ぶ秋の彼岸にかこつけて     金田 青水

おはぎ食ぶ秋の彼岸にかこつけて     金田 青水

『季のことば』

 医学が進歩して、血液や尿の検査で病気や病気になる危険度が分かるようになった。それによって早期治療や予防措置を採ることが可能になり、「達者で長生き」が出来る。実に素晴らしいことである。しかし、困ることもある。「糖尿病の恐れがある、食事制限しなさい」とか、「中性脂肪が高すぎる。魚卵の類は食べないように。酒は一日一合厳守」などと言われることだ。
 この人は太りすぎを注意され、甘い物を制限されているようだ。日ごろは決められた量をちゃんと守る優等生なのだが、見事なおはぎを見せられてうーんと唸った。そっちを見ないようにしても、一旦見てしまったおはぎが眼裏に焼き付けられている。懐かしいアンコの匂いが鼻をくすぐる。・・・ま、いいか、一個くらい。今日はお彼岸じゃないか。
 春のお彼岸は牡丹餅、秋彼岸は御萩(おはぎ、はぎのもち)。両者同じ物なのだが、季節に合わせた呼び名が出来ている。すなわち彼岸とおはぎは付き物。それを句に仕立てるのはなかなか難しいのだが、今どきの食事制限やダイエット流行りの世相をからめて面白く詠んでいる。(水)

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